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[小説 感想] 京極夏彦著 「魍魎の匣」

「魍魎の匣」を読み終わりました。中々に長く、そして心に残る作品でした。
今から、心にたまった思いを整理するために、感想を書いていきたいと思います。
ネタばれを多量に含むため注意してください

[感想]
まず、頼子と陽子がこの小説内の事件を大きく変化、複雑化させた犯人であったのが悲しかった。普通、女性というものは主人公に助けられる存在、そう考えるのが普通である、と思っていたものだから、まさかこんな結末になるとは思いもしなかった。頼子は怪しいところが良く描写されていたので、心の準備もできていたが、最後の陽子の話は胸が苦しくなった。私も木場のような「頑強な豆腐」のような心を手に入れたい。京極が言ったように、真相が分かっても誰も得のしない話でしたね……。

 この小説で背筋に寒気が走った瞬間は、「旧仮名、旧漢字の作中作が久保著だと分かったとき」、「久保のバラバラ死体が見つかったとき」、「冒頭の電車の中であっていたのが雨宮だと分かったとき」でしょうか……。特に、雨宮が加菜子の入った匣を持って、施設を出て行ったと分かったときは、怖気が走って、冒頭の久保との邂逅の場面の文章を読みなおしました。そして、加菜子が意識を持っていること、笑っていたことに気付くともう駄目でした。しばらく、続きの文章が読めませんでした。下手なホラー作品より怖かった。
後、最後に関口さんが久保の匣を明けようとしたところも、ドキドキしましたね。私も匣に入った久保の姿を見てみたいと思いました。また、作中の最後に出てきた雨宮が加菜子の入った匣を明ける瞬間も、なんというか悲しかった。私も、関口さんと同じように、匣の中の加菜子には生きていて欲しかった。そして、笑って、「ほう」という声を出して欲しかった。

 そして、物語の結びの「私は、なんだか酷く―――男が羨ましくなってしまった」という、久保と同じ言葉を聞いたときに、なんとも言えない気持ちになりました。なんというか怖いような、悲しいような気持ちになってしまった。

[疑問点]
 作中で感じた疑問点も書いておきます。私には、榎木津の存在が気にかかりました。彼は「他人の記憶を読む」という能力を持っているのですが、私には作中の世界観がよく分からなくなりました。だって、そんな能力者がいる世界なら、殺人事件を化学的、論理的に調査しても意味がないのではないのか?と考えてしまうのです。作中の人間が現実世界の人間と異なる能力を持っている時点で、我々読者に推理させる気はないのだろうと思えてしまいました。しかし、作中でも「探偵小説だったら失格だな」という文章が多くでてくるので、著者はこの小説を探偵小説だとは思っていないのかも知れませんね。それと、付け加えるなら、頼子が死んでしまったのは榎木津の責任?でもあるのでは?榎木津と久保が会ったときに、榎木津は久保が血まみれで獣のようなものを捌いている幻影を見ます。バラバラ殺人事件が発生しているときに、そんな幻影を見れば犯人だと思うのは当然だと思うのですが……。それに考えついていたら、頼子が死ぬのは防げたのでないでしょうか?でも、それなら頼子の母親の自殺を止めるのはできなかったかも知れないですし、これで良かったのかも知れません…。また、メタ的に考えると榎木津が積極的にストリーに絡んで行ったら、探偵小説として破綻してしまうのかも。
 また、少し疑問に思ったのは、「久保の四肢が発見されたこと」です。加菜子の四肢が発見されたのは、雨宮が水葬を行おうとして、失敗したからです。実際、美馬坂はそのことをくだらない感傷で、事件が大きくなったと言っています。久保が施設にやってきたとき、焼却炉はまだ稼働していなかったのでしょうか?稼働していないにしても、美馬坂ほどの天才が、雨宮と同じようなミスを犯すとも思えないのですがね……。


[最後に]
最後に、殺人を犯すのは「通りもの」のせいであり、動機を考えるのはおかしいことだ、という作中の京極堂の意見は、詭弁だと思いますね。
 適当に、思ったことをまとまりなく書いていて思ったのですが、全然気持ちが整理できていませんね。もっと書きたいこともありますが、ここらへんで終わりますかね。
書ききれないほどの感想が出てくる凄い作品でした。
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[ 2015/01/10 18:00 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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